アンダーフィル付きBGAリワーク
ABOUT UNDER-FILL
BGAははんだボールによってプリント基板上に実装されています。接続強度が弱いため、衝撃や折り曲げなどの外部からの応力に対して、BGAの脱落やはんだ接合部でのクラックの発生により接続の信頼性が保てない場合があります。
このような問題を解消し、接続信頼性を向上させるため、アンダーフィルと呼ばれる封止樹脂を部品と基板との隙間に使用します。
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素材
一液性加熱硬化型のエポキシ系の樹脂を使用
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働き
外部からの応力を軽減でき、はんだボールの接続面に生じる応力の集中を防止する働きがあります。
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用途
携帯電話や音楽プレーヤーなどをはじめとするモバイル機器などに多く使用されています。
アンダーフィル付きリワークについて
ABOUT REWORK WITH UNDER-FILL
硬化したアンダーフィル剤はBGAを封止しているため、強度は通常のBGAに比べ格段に向上しており、その効果は絶大ですが、その分、取り外したり、部品を交換するなどのリワーク作業は通常のリワーク工程以上に困難なものとなっております。
ケイ・オールでは、作業方法や技術研究を重ね、様々なアンダーフィル剤が塗布されたデバイスでもリワーク作業が行えるよう努めて参りました。
ーアンダーフィル付きBGAの取り外し方法ー
参考までに、アンダーフィル剤を扱うメーカー【スリーボンド】での例をご覧下さい。
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①軟化
熱風発生器(ヒートガンなど)を用い、配線基板上に固着されたBGA・CSP部分に260℃程度の熱風を30秒~1分程度あてて硬化物を軟化させる。
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②取り外し
BGA・CSP部分と配線基板の間にスクイパーなどを差し込んで取り外す。
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③取り除き
280℃程度に熱したホットナイフなどを用いて、配線基板上に残っているアンダーフィル樹脂とはんだを取り除く。
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④吸い取り
工程③で完全に取り除くことができなかった配線基板上に残っているはんだをはんだ吸い取り用編組線で除去する。
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⑤除去
アルコールなどで配線基板面の洗浄を行う。
※アンダーフィル剤によっての相違点
上記のメーカーの作業例は、アンダーフィル剤が【リペア性付与】として「硬化後のBGA・CSP部品の取り外し、及び硬化物の除去が可能」であると記載されているアンダーフィル剤に限っての作業です。
つまり、メーカーが【リワーク可能】と記載しているアンダーフィルと、リワークについて記載のないアンダーフィルでは作業の方法や難易度の違いがあるということです。
ーアンダーフィル付リワーク技術ー
ケイ・オールでは、以上の内容を踏まえ独自の作業技術を経験の元で学び、お客様のご要望に対応した最先端の技術の提供に成功致しました。
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技術1:取り外し
加熱中
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技術2:取り外し後のリボール
①基板から取り出した状態
②アンダーフィルを取り除いた状態
③リボールを行った状態
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技術3:交換作業(又は再実装作業)
①作業前
②基板から取り外した状態
③リボールを行った状態
④取り付け完了
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技術4:塗布作業
ケイ・オールでは取り外しなどのリワーク工程だけでなく、完成基板上でのBGA・CSPのアンダーフィル塗布作業も行っております。アンダーフィル剤はメーカー協力の元、数種類サンプル作成した中で最適と判断したTB2274Bを推奨の塗布専用アンダ-フィル剤として使用しております。
お客様ご支給のアンダーフィル剤での作業もご相談ください。TB2274B
- リペア性付与アンダーフィル剤
- 低温硬化(80℃以上)
- 接続信頼性、接着性良好
- 低粘度
外観 黒色 粘度 4.7(47)Pa・s(P) 標準硬化条件 85℃×45min
リワーク設備
REWORK FACILITY
FACILITY
各種リワーク機完備
小型基板~大型基板· 超多層基板や特殊基板に対応するため各種リワーク機を完備しております。
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VJ Electronix社
【SUMMIT1100】- はんだ接合部、デバイス、基板の3点温度を独自制御
- プリズムと高解像度CCDカメラによる基板端子と部品リードの高精度位置合わせ
- 基板への熱負担や基板反りを最小限にする全面熱風加熱ボトムヒーター
- 温度プロファイル分析アプリケーションソフト標準装備
- N2を使用することにより、デバイス表面に対する熱負担を軽減
- 最大基板サイズ:455×560㎜
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デンオン機器
【RD-500Ⅲ】- 鉛フリーに最適な3つの加熱システム
(上部・下部ヒーター、2400Wの出力エリアヒーター)
PCB全体を均等に加熱し、加熱時の基板の反り抑制が可能 - 2モードの冷却機能
(ノズル内部からと、クーリングファンとの冷却方式)
特に鉛フリーに対する冷却速度を満たし、はんだ仕上がりを良好にします - 温度プロファイル取得可能(有償)
要求指定内容を目標に、最適なプロファイルを作成します - 最大基板サイズ:500×600mm
- 鉛フリーに最適な3つの加熱システム
信頼の実績!
RELIABILITY
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日刊工業新聞に掲載
ケイ・オールでのアンダーフィル付リワーク作業が日刊工業新聞に掲載されました。 意図的に壊された携帯電話機(燃やした・川や海に捨てた・車でひいたなど)は、メーカーでは 修理不可能と判断されます。アンダーフィル付リワーク作業を応用した作業ではメモリーのリワーク作業を行いデータ復元に繋がるお手伝いが可能です。
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様々な製品にも対応
携帯電話機以外にもアンダーフィルは使用されています。アンダーフィル材メーカーがリワーク不可能と思われたデバイスにも対応した実績が多数ございます。 もちろん、リワーク後の再塗布作業もおまかせください。
BGAリワーク・リボール
3拠点から全国どこでも
短納期で対応します
お電話でのお問い合わせ
- 東京工場042-370-3550
- 関西工場072-802-3331
- 中部設計058-322-4242
- 受付時間:
- 午前9時~午後5時
土日・祝日も営業(年末年始を除きます)
COMMENT
アンダーフィル付きBGA
ならお任せください!
ケイ・オールのアンダーフィル付き作業は、驚くべき画期的な技術です。製造業における作業者というよりは、職人中の職人というくらい別次元な技術力です。私はまだまだ習得しなければならないことがたくさんありますが、「やってやる!」という気持ちは常に持って励んでいます。リワーク作業技術の進化は未知数だなあと常に感じています。
ぜひ、お困りのことがありましたらお声をかけていただきたいと思います!!