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「捨て基板」について
2022/02/24

まだまだ寒い日が続いておりますね。
わが町稲城もなかなかの冷え込みを見せておりまして、
感染対策のマスクが暖かさを補ってくれている日々です
ケイ・オールブログをご覧の皆さまこんにちは。編集部(設計課)です
さて、今回のブログでは、「捨て基板」について触れたいと思います
「捨て基板」とは、製品の周囲に設ける10mm程度の基板の事で、
Vカットやミシン目で繋がれています

「捨て基板」と呼ばれるだけあって、製品出荷の際に切り離され廃棄される板なのですが、
この板を設けるには深い?意味があります
一つ目は製品保護です
生産過程において、万が一基板をどこかにぶつけた場合、
製品が直接傷付くことを防ぎます
また、コネクタなど製品からはみ出る形で搭載される部品を保護する事もできます
※ケイ・オールでも他社様同様、製品の取り扱いには細心の注意を払っています。あくまでも万が一の話です。
二つ目はマシン実装時の掴みしろです
はんだ印刷機やマウンターなどのマシンにセットする際、
基板の端をレールに載せますが、このレールと接触する部分を掴みしろと言います
※上図ではx方向(搬送方向に対して平行)に設けている捨て板
掴みしろの部分には部品実装が難しいので、製品内に掴みしろを
設けた場合、そこがデッドスペースとなります
無駄なく部品をレイアウトするためにも捨て板は重要です
三つ目はフロー槽使用時のはんだ被り防止です
フロー槽で挿入部品をはんだ付けする際に、
製品の上にはんだが被ることを防ぎます
※上図ではY方向(搬送方向に対して垂直)に設けている捨て板
この他にもフィディシャル(認識)マークを設けたり、治具用の
穴や基準穴を設けたり、そりを防止したり、と捨て板には様々な用途があります
ここで少し目線を変えて・・
捨て板を含めた基板サイズを考える場合、
以下のどの寸法を考慮すれば良いと思いますか?
①はんだ印刷機に入るサイズ
②マウンターに入るサイズ
③リフロー炉に入るサイズ
④フロー槽に入るサイズ
一般的には③です
理由は、③の工程が一番人の手に置き換え難いからです
①、②、④はそれぞれ手刷り印刷、手載せ、手はんだ付けで
代替可能ですが、③にはリフロー炉でなければ実装出来ない部品があります
すぐに思い浮かぶのはBGA、LGAなどでしょうか?
もちろんリワーク機で対応するなど、代替手段はありますが
通常工程で、と考えると難しいですよね
如何でしょうか?
「捨て板」を設ける=基板サイズ拡大=コストアップのイメージが
あるかも知れませんが、製品保護・生産効率などを考えた場合、
「捨て板」を設ける事はコストアップでは無いかもしれませんね
何かの参考になれば幸いです
以上、「捨て板」についてでした
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